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丸ごと食べて愛してやる
「ん......」
優しい動作でベッドの上に体を降ろされる。チュッと額に口付けられて甘い声が漏れた。
すぐに近衛が光琉の上に跨って、二人分の重みを受けてベッドのスプリングが大きく軋んだ。
「光琉......」
「ふ、......」
甘い声で名前を呼ばれ、それだけでゾクッと背中に痺れるような疼きが走った。
「んぁ......近衛先輩............」
初めて感じる感覚に戸惑って、助けを求めるように近衛を呼ぶ。すると近衛が光琉の手を取って、その甲に口付け、光琉を見つめて微笑んだ。
「ひかる......」
「あ、ん......」
また名前を呼ばれ体が震える。キスも微笑みも声も、近衛のすべてが甘くて、とろんと思考が溶けていく。ドキドキするのにとても安心する。もっと甘やかして、近衛にいっぱい触って欲しい。
こんな激しい欲が自分の中にあったなんて。そんな自分に光琉は驚いていた。
「ふ......可愛い声。そんな声出されたら......抑え効かなくなる」
舌なめずりをするように唇を舐めて、近衛が瞳を細める。隠す気もない、というように欲の色を浮かべる獲物を捕らえた肉食獣の目に、体に甘い痺れが走った。
(ああ......どうしよう......おれ、食べられちゃう......)
これからのことを考えると恥ずかしくて堪らないのに、早く近衛に食べて欲しいと本能が訴える。
「近衛先輩......」
(早く......)
言葉にできない気持ちをこめて、熱に浮かされたまま近衛を呼ぶと、ふっと近衛が口元を緩めた。そしておもむろに着ているトレーナーを脱ぎ捨てた。
「っ......」
目の前に、日に焼けた近衛の体躯が現れる。精悍な近衛の雰囲気に似合う、引き締まった筋肉質なその体。一気に部屋の雰囲気に淫靡さが増す。近衛の裸体から色気が溢れ出ていて、知らず光琉の喉がこくんと鳴った。顔の横に両手をついて、近衛が光琉に覆いかぶさる。
「ふ......そんな顔しなくても、光琉のことまるごと愛して食べてやるから」
興奮に顔を歪めると、近衛は噛みつくように光琉に口付けた。名前を呼んだだけで、光琉の欲しいものを分かってくれる近衛に、胸がキュンと高鳴る。
深く舌を差し入れて、光琉の舌を捉えると裏側を舐められた。きつく吸われて、光琉は気持ちよさに、無意識で近衛の首筋に抱きつく。そんな光琉の可愛い仕草に、気を良くするように近衛の唇が微笑みの形を作った。
「ん、んっ」
舌先を甘噛まれ、鼻にかかった甘い声が漏れる。光琉も必死に答えようとするが、近衛に与えられる刺激が大きくて、体から力がどんどん抜けていく。キスされるだけで、下半身が熱を持つのが分かる。体の芯が惚けていくような強い痺れに襲われた。
「っ......ぅ、ふぁ............んーーっ」
飲み込めない唾液が口端から伝う。もともとの体格差もあるが、近衛は舌も長くて。深く口内に差し込まれた舌が、喉奥をくすぐった。
(あ、だめ......それきもちいっ......!)
瞬間、びりびりと背筋に快感が流れ、光琉は大きく体を跳ねされた。
その後も、口腔中、近衛の舌が触れていないところがないのではないかと思うぐらい愛撫されて、キスが解かれる頃にはすっかり息が上がっていた。
「ん......ぅ、このえせんぱぁ、い......」
近衛を呼ぶ声は、自分ものとは思えないほど甘く溶け切っていた。体に力が入らない。
「ああ......かわいい......俺のひかる............」
熱い吐息を零しながらそう呟いて、近衛が光琉の服の中に手を差し入れた。着ている服を捲り上げるように、大きな掌が腹から首筋まで光琉の肌をなぞる。
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