俺の初恋

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俺の初恋

「あ、んっ......」 なぞる途中で近衛の指先が胸の突起に触れて、光琉から甘い声が零れた。羞恥で頬が赤く染まる。近衛はそのまま光琉の服を脱がせた。 「光琉......」 ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえて、頬を赤くしたまま近衛を見上げると、頬を染めた光琉より、はっきりと分かるぐらい近衛が真っ赤になっていた。 「近衛先輩?」 珍しい姿に、どうしたんだろうと首を傾げると、近衛はバッと口を押えた。 「光琉は......こんなとこも可愛いんだな」 「え......?」 「ここ、ピンク色で......可愛いすぎる.......あ、やべぇ」 「なっ......!」 近衛は光琉の胸の飾りを見つめ、盛大に頬をにやけさせた。光琉の胸の突起は、綺麗なピンク色をしていた。北海道生まれのせいか、光琉はもともと色白で色素も薄い。体育の授業以外で人前で服を脱ぐことがないし、それも大学に入ってからなくなってしまった。人の裸をまじまじと見つめる機会もない光琉は、そんなものだと思っていたが。確かに目の前の近衛の裸体とはかなり差がある。はっきりとそれを口にされ、光琉はあっという間に赤くなった。 「変なこと言わないで!」 「だって、可愛くて......それに色白で......赤くなってるのもよく分かる......堪んない」 「も、ぉ......」 堪んない、と吐息交じりに囁かれ、体がぴくりと反応する。近衛の視線に自分の裸が晒されていると思うと、それだけでじわじわと体が疼いた。 「かわいいし......めちゃくちゃ美味しそうだ」 「あっ......」 熱い吐息を零して、近衛がチュッと光琉の突起に口付けた。軽く触れただけなのに、くすぐったいような痺れるような快感に襲われて甘い声が漏れた。 (え? 俺男なのに......! こんなところも気持ちいいの?) さっき指先が触れた時も反応してしまったし。自分の反応に戸惑っていると、近衛が嬉しそうに微笑んだ。 「ここ......好きか?」 言うなり、近衛が光琉の突起をぺろりと舐め上げた。 「っ......! んっ、やぁ......」 そのまま口に含まれチュウと吸われる。舌先が輪郭をなぞり、真ん中の尖りをくすぐるように舐めた。 「あぁっんっん......」 舌が突起に触れるたび、甘い快感が湧き上がって、光琉は体を身じろがせた。 「こっちも食べないと、な......」 「んんっ! せんぱ、いっ......」 もう片方にも唇を寄せられる。ちゅっちゅと啄まれ、甘く歯を立てられた。 強い刺激に体が跳ねる。初めて感じる感覚にどう反応していいか分からず光琉は戸惑う。ふるふると震えながら、手を口に当てて堪えていると、光琉の様子に気付いた近衛が手が伸ばす。その手が優しく頬を包んで、親指が優しく肌を撫でた。 (あ......) 優しく触れられるだけで、ふにゃと思考が解けて安心が広がっていく。 その瞬間、慣れない初めての快感も感覚も、何かもが、近衛が与えてくれているのだということを自覚して、それなら戸惑う必要なんかないと思った。 撫でられるたびに力が抜けていく光琉に微笑んで、近衛は胸に与える刺激を強くした。 そっと近衛の手が光琉の下半身に触れる。そこは近衛の愛撫に反応して、すでに固くなっていた。 「んんっ......」 するりと形を掌で撫でられ、恥ずかしさに光琉は身をよじらせた。 「大丈夫......俺も」 「あ......」 そう言って光琉のそこに近衛が体を重ねる。重ねられた近衛の下半身は、光琉と同じ、いやそれ以上に固くなっていた。触れた熱い近衛のモノに、カァと頬が赤くなる。だけど近衛も一緒だと知れて、とても嬉しくなった。 「近衛先輩も反応してくれてうれしい......」 「当たり前だろ! その、俺は......ずっと光琉とシタかったんだから」 はにかむように近衛がそう告げる。その言葉に光琉は赤くなった。見れば近衛も照れるように頬を染めている。 (なんか......可愛いな......) 今日は見たことがない近衛の表情を、いっぱい見ている気がする。それが嬉しくて光琉の顔が綻んだ。 「ひゃぁ......!」 だけど、体を下にずらした近衛に、下腹に噛みつかれて大きな声を零してしまう。 「っ......ん、あ、んぅ......」 ちゅっちゅと音を立ててキスをされる。敏感な場所に近い場所に刺激を与えられ光琉は体を震えさせた。 「ふふ、いい声。もっと光琉の可愛い声聞きたい」 顔を上げて近衛が光琉を見つめる。欲情に瞳を濡らし誘うようにそう囁く。その近衛はとてもかっこよくて。 (可愛いくせにかっこいいなんてずるい......!) どんな近衛も素敵で、光琉は胸を高鳴らせることしかできない。胸を高鳴らせている間に、光琉のベルトを解いた近衛は下着ごとズボンを脱がせた。 すっかり立ち上がった光琉のペニスがプルンと顔を覗かせた。 「やだっだめ......!」 恥ずかしくて光琉は反射的に足を閉じようとする。だけど近衛の体があるので閉じれなくて。ジッと下半身に近衛の視線が注がれるのを感じる。 「ああ......可愛いな.....肌もすべすべで綺麗だと思ったけど、ここもめちゃくちゃ綺麗だ」 「そんなっ......」 ハァと熱く近衛が息を零す。 (そんなとこっ......! 綺麗なわけない!) そう思うのに、近衛の瞳と声が真剣で、光琉は恥ずかしくて全身を赤く染めた。 近衛の唇が太ももにキスを落とし、肌を舐め上げる。舌が足の付け根をくすぐったと思ったら、強く吸われた。ツキンと軽い痛みがそこに走る。 (なに......?) 近衛がキスマークをつけたことに、こういった経験がない光琉は気付かない。 「あっ......近衛先輩......、っ」 さっきよりも更に際どい場所を刺激され足が震えた。 「もっと見せて......」 「あ......」 言葉と同時に近衛が太ももに触れ、左右に倒すように足を広げられた。 「近衛先輩......!」 「光琉のかわいいとこよく見える......」 足を広げられた恥ずかしい格好に思わず抗議の声を上げる。だけど次の瞬間、恥ずかしさなんて一気に飛んでいった。 「うそっ......! やだぁっ! ......このえせんぱっ、んぅーー」 熱い吐息があらぬところにかかったと思ったら、まるで近衛が美味しいものを食べるように、ぱくりと光琉のペニスを口に含んだから。 慌てて体を起こして止めようとするが、舌をすり合わせるように裏筋を舐められ、すぐに光琉の体はベッドに沈んだ。 「あっあぁっ、あんっ......!」 今までとは比べようもならないぐらいの快感が、近衛が咥えている場所から沸き上がる。一際大きく光琉の甘い声が部屋に響いた。 「ん......ひかる......かわひい......」 「いやぁ......しゃべらないでぇっ......!」 深く口に含んだまま近衛が言葉を発する。声の振動が響いて、ぞわぞわと背筋に快感が走った。鼻にかかるくぐもった近衛の声がセクシーで、それもまた光琉を感じさせた。 強い快感に、チカチカと目の前に火花が散る。 「あぁ......もお......でちゃうっ!」 「ん」 離してというつもりで言ったのに、反対に近衛は光琉を咥え直し先端に歯を立てた。 「やっ! あっあっ......あ――」 与えられる刺激に抗うことができず、光琉は背中を仰け反らせ、あっという間に絶頂に達した。 「ふ......ぁ、......んん......」 拳を口に当てて絶頂の余韻に堪える。視界の片隅で、ティッシュに光琉の放ったものを出している近衛の姿が見えて光琉はハッとした。 (俺! 近衛先輩の口に......!) 光琉は慌てて近衛に謝ろうとした。 「んふふ~ひかる~」 だけど、近衛は光琉の方を見ると顔をふにゃあと綻ばせた。ギュッと光琉を抱きしめる。 「光琉が気持ちよくなってくれて嬉しい。可愛い光琉。大好きだ......」 ちゅっちゅっと首筋に額に頬にキスが降ってくる。整った顔をふにゃふにゃに崩れさせ、嬉しそうに近衛が笑う。その笑顔が可愛くて愛しくて、きゅうと心が甘く締め付けられた。 近衛の背中に腕をまわして抱きつく。すぐに温かい腕が抱きしめ返してくれた。 与えられて、返そうとするのに、それ以上に与えられる。近衛が愛しくて、そっと近衛の頬に手を添え、自分から口付けた。 「うん、めちゃくちゃ気持ちいい......近衛先輩にされること全部気持ちいいから......」 「光琉......」 「近衛先輩も、俺で気持ちよくなって」 「っ......」 光琉の言葉に近衛が息を飲む。 「大好き」 「光琉っ......」 堪らないというように近衛が光琉に口付ける。すぐに深くなるキスに、光琉は一生懸命答えた。 「ん、んっん」 (やっぱり近衛先輩のキス気持ちいい......だいすき......) そっとキスが解かれ、光琉はうっとりと瞳を惚けさせた。そんな光琉の頭を愛し気に近衛が撫でる。 「俺......こういうの先輩とが初めてだから上手くできないかもしれないけど......」 隠すことでもないしと光琉は口にする。すると近衛が幸せそうに微笑んだ。 「俺も初めてだよ」 「えぇっ‼」 はにかむように言われて驚きの声が漏れる。 (近衛先輩が......?) 信じられなくて光琉はパチパチと瞳を瞬かせた。光琉の反応に、近衛は口を尖らせた。 「なんだよ......初めては好きな相手とって決めてたんだ。俺は光琉が初恋なんだよ。悪いか!」 (うそ......!) 開き直るようにはっきりと言い放つ近衛。ドキンと心臓が大きく跳ねる。言われた言葉に、初めて知る事実に、胸がとんでもなくときめいた。 こんなにかっこよくて素敵な近衛のことだからさぞモテてきただろうと思っていた。いや、実際モテていたに違いない。こんな優しい人、誰もが好きになってしまう。 そんな近衛の初恋が自分だなんて。 「っ......」 光琉の瞳に涙が滲む。 「光琉......!」 近衛が慌てて光琉を覗き込む。 「どした?」 頭を撫でながら、優しい声でそう問われる。撫でる手も声も、近衛の仕草すべてがとても温かい。 近衛が光琉を選んでくれたことを、心から幸せだと思った。体中が歓喜で震える。愛しくて幸せで、この目の前の人が大切過ぎて苦しい。 「嬉しくて......」 この気持ちをどう言葉にしたらいいか分からない。 「近衛先輩が俺を好きになってくれたことが幸せっ......で......」 この幸せを、寸分たがわず近衛に伝えられないことがもどかしい。 「近衛先輩、好き。すき......だいすき......」 それでも近衛のおかげで、光琉は幸せなんだと必死に好きだと告げる。 光琉の涙の理由わけを知って、ハッと近衛が息を飲む。次の瞬間、近衛の顔いっばいに幸せな笑顔が広がっていった。 「俺も......しあわせ......」 近衛の声がかすれている。それに、上手く言葉にできなくても、光琉の気持ちはしっかり近衛に伝わっていることが分かった。 「このえせんぱい」 「ん」 キスがしたくて名前を呼ぶと、光琉の甘えた声に答えるように、近衛がちゅっと光琉の唇を啄む。 そして目の前で、嬉しそうに目尻を下げた。 「初めてだけど......体の構造に関しては、人より知識があるから。安心して任せてくれ」 「ふふ......なんてたった医大生だもんね」 近衛の言葉に光琉は笑みを零す。 「よろしくお願いします」 そう言って、光琉はちゅうと近衛の唇に吸い付いた。
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