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心も体も一つに...
「んんっ、あ、あっあぁ......」
くちゅと濡れた音と、光琉の甘い嬌声が部屋の中に響く。
「あ......もぉ......だいじょぶ、だからぁ......ああんっ!」
「ん、もうちょっとだけな」
優しくそう言って、近衛が髪に口付ける。光琉は近衛の腕の中に横から抱きしめられていた。片手で宥めるように体を撫でられ、もう片方の手は光琉の後ろに伸ばされている。
「ちゃんと準備してるから」と照れながら、ゴムとローションを棚から取り出してきた近衛を、かわいいななんて思っていたのも束の間。近衛の言う通り、医大生という肩書は伊達てはなかった。
後孔に指を忍ばされ、初めは圧迫感を感じていたものの、近衛はすぐに光琉の感じる場所を見つけ出した。指がある一点に触れた時、体に電流が走ったかのような強い快感を感じ戸惑っていると、近衛が嬉しそうに「見つけた」と言って微笑んだ。
それからはもう、わけがわからないぐらい気持ち良くて。近衛の指が、何度も光琉の感じるところをすり上げて、その度光琉はあられもない嬌声を上げた。
「んぅーーあっ、あ、やぁ......このえせんぱぁ............」
光琉はすでに数度絶頂に達してしまっていた。体が熱くて、襲ってくる快感に抗う術が分からない。助けを求めるように光琉は近衛にしがみついた。
「うん。かわいい。光琉。大好き」
甘やかすように囁いて、いっぱいキスをして、優しく宥めてくれるのに、後ろを解す手は全然緩めてくれなくて。
「あぅ......も......だめぇ......」
感じすぎて光琉の瞳からポロポロと涙が零れ落ちた。指がいつの間にか三本に増えていることに、強すぎる快感に翻弄されている光琉は気付いていない。
「光琉」
「ひっ......や、あ、あっ! んんーー」
ちゅっと頬に口付けながら、ぐっと一際強く感じる部分を押し上げられ、光琉は震えながら背中を仰け反らせた。
「も、いいかな......」
「あっ......」
指が引き抜かれる感覚にも甘い声が零れる。
近衛が光琉に覆いかぶさると、下着から自身を取り出した。体の大きさに比例した、とても大きな近衛のモノに、光琉の喉がこくんと鳴る。あまりに立派なそれに、光琉は思わず頬を染めた。同時に、体格差がある分受け入れる光琉のことを考えて、慣らすのに時間をかけてくれたことに気付く。
「あーやばい......ガチガチ......」
独り言のように小さく呟いて、近衛が深く息を吐いた。
(近衛先輩......あんなに大きくさせてるのに......)
こんな時まで光琉のことを考えてくれる近衛に、キュンと鼓動が甘く波打つ。
「近衛先輩......」
気付いたら近衛に向かって腕を広げていた。
「早く......きて」
「っ......ひかる」
驚いたように近衛は瞳を見開いて、だけどすぐに欲情に顔を歪ませた。
近衛が後孔にペニスを宛がう。悦ぶように光琉の後ろがちゅうと近衛に吸い付いた。
「ひかる......!」
それに堪えられないというように、近衛はグッと腰を進めた。
「ん、ふ......」
あれだけ慣らしてくれたのに、押し広げられる感覚が苦しくて声が漏れる。
「っ、大丈、夫か?」
反射的に近衛が体を引こうとする。それに気付いて、光琉は近衛の腰に両足を巻きつけ引き寄せる。
「だめ! やだ! 抜かないで......!」
首筋にも腕を回してしがみつく。
「今度は俺がっ......近衛先輩をきもちよくするの!」
「..................」
しばし近衛が動きを止めて、そして光琉の前に手を伸ばした。
「ああっ......!」
快感に体が緩んだ隙に近衛が体を押し進める。臀部に近衛の体が触れて、自分がちゃんと近衛を受け入れることができたことを知る。
「......近衛先輩」
嬉しくて、瞳に涙が浮かぶ。
「ふ......、今日の光琉は泣き虫だな」
熱い吐息を零して、近衛が愛し気に瞳を細める。
「だって......幸せで」
「ん......俺も」
引き合うように自然と二人の唇が重なる。しがみつく光琉を、近衛が抱えるように抱きしめた。
中も外も近衛の温かさに包まれて、こんな幸せなこと他にどこにもない。
「ひかる......」
「あっ、あ、っん......せんぱ......」
近衛が腰を動かしだす。圧迫感はあるが、それも近衛の大きいモノが感じる場所をすり上げるたび、中が緩んで快感に変わっていく。
「も、おれ......だめっ......イク............」
「ひかる......一緒に......」
ギュッと光琉の両手を近衛が握りしめる。それを強く握り返して。
「んっあぁっ......っ、ああ――――」
「くっ......」
二人一緒に欲望を吐き出した。吐き出される近衛の欲望が、光琉の中に温かく広がっていく。
何もかも温かい近衛に包まれて、光琉は心も体もとろとろと心地よさに溶けていくのを感じた。
光琉に覆いかぶさって荒く息を付いていた近衛が体を身じろがせる。そしてちゅっと光琉の額にキスを落とした。
「な......光琉、もう一回いいか?」
甘えるようにすりと頬を寄せる近衛に、熱に浮かされたまま光琉はコクンと頷いた。
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