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思った以上にこの数日でいろいろ真剣に考えているようね。
「それじゃあ頑張ってね、いつか一緒に働けるといいね」
「はい!あ、それから柔道教室にも通う事にしました、そろそろ行きますね」
「うん、またね」
1人の若者が将来を見据えたか、巻き込まれたのは気の毒だけど、私がきっかけで良かったのかな?彼が交番を去ると今度はあの時の親子がやって来た。
「こんにちは、あの前はありがとうございます、この子の事も守ってくださり」
「そんな」
「この子がもう少し大きくなったら、あなたの事を話したいと思っています、もしよろしければ会ってくれますか?」
「ええ、私で良ければ」
「そうですか、それをお聞きしたかったので、それじゃあ失礼します」
「お気を付けて」
あの子が大きくなったらか、それまでにどんな警察官になっているのかな?
そう考えていると交番の電話がなった。
「はい、△◇交番、山名巡査ですか、少々お待ちください。山名、鈴木っていう男がお前にだが」
「私に、鈴木?はいお電話代わりました山名です」
「おお、やっぱりお嬢さんか、ほら銀行の時の」
「あの時のおじいさん、どうしたんですか?」
「実はまだ入院中でなあんたにお礼が言いたくて電話をしたんじゃ」
「ええ!無理しないでくださいよ」
「あんたがおらんかったらあの場でくたばっていた、婆さんにわしの死に目に合わせられないのは悔いが残ると思ったが、あんたのおかげでもう少し生きられそうじゃ」
「ああ、いえ、そんな」
「それじゃあな」
おじいさんの電話がきれたら私は宮原先輩に対し自分の思いを口にした。
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