増す緊張

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 おじいさんを解放した瞬間、警察に突入されない為に私も犯人に同行することになった、仕方ないおじいさんの為だ。  銀行強盗の担当は刑事部、場合によっては機動隊も加わるけど、私は交番勤務だし、同期もその部署には配属されていないし、この瞬間は私が警察官だと知られないかな、まあ後でもしかしたら報告書を書かされるかもしれないけど、でも非番だし大丈夫だよね。  とにかく今は早く、このおじいさんを解放しないと。そう考えて裏口まで行くと、警官が多くいて、まず犯人が警官に呼びかける。 「とりあえずこのじじいは解放してやる、この女は人質だ、それで金の方は?」 「それは我々でなく、銀行の本店が用意しているはずだが、まだ集まったと報告はない」 「っち、そうかよ」 「あの、おじいさんを早く病院に連れて行ってください!心臓が弱いそうなので‼」  私が警官におじいさんの事をお願いしていると後ろにいるある警官と目が合ってしまった。  彼は宮原正巡査長、私が配属されている交番の先輩警察官だ。  でもどうして宮原先輩がここに?あ!交番の近くだから応援に来たのかも?ああ、先輩に私が人質に取られた事を見られてしまった。  まあ、犯人に知られたわけじゃないけど、これ後日話のネタでいじられるかも。
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