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駐車場で軽く挨拶した他の客が駅の近くのジェラート屋に行くと言っていたので、「俺たちも行ってみる?」と寄り道を決める。ナビに場所を追加して向かう。ちゃんと駐車場があって良かった。
本格的なジェラートのガラス張りの店。フルーツの名産地だから、フルーツの果肉入りのジェラートが多い。更には地元のミルクなどを使用していると書いてある。
濃厚でコクのあるミルクと、生の果物の味わいのジェラート。
二人で別々のジェラートを選ぶ。高大は柚子とチョコ、横峯はミルクとイチゴ。
「はー、しみる……」
口に入れて目尻が下がる。
「こっちも食べてみる?」
高大はスプーンとジェラートのコーンを横峯の方に傾ける。
「……ふっ、カップルみたいだね」
ニコニコと横峯が口を開けたので、「あっ」となって高大はあまりの照れくささに、スプーンではなくコーンを横峯の口に突っ込んだ。
「うぐっ」
幸せの甘さだった。
地元のワイナリーにも寄って、試飲していいという横峯にかぶりを振って、「一本買っていこう? 旅館で飲も?」と高大が言う。
「いいよ」
観光を満喫して旅館に到着する。
「ずっと運転させちゃってごめんね」
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