3. 何かすごい山

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 高大は、近くのファミレスで横峯に待ってもらい、バッグに荷物を入れる。 (……薬と……普段ヒートの時に使ってるこれはいらないか……えっと、ゴムは、いるのかな??)  何だかよくわからなくなりつつ、あるにこしたことはないと全部バッグに詰め込み、横峯の待つファミレスに行く。 「お待たせ」  高大を待っていた横峯の目は欲望をたたえていた。これは、もう、部屋についたらどうなるかわからないと高大は思った。 「俺、ヒートの時に誰かと過ごすの初めてで……」  小さな声で高大は言う。 「うん」  横峯は高大を周りから隠すように席を立ち、エスコートした。  初めて行く横峯のひとり暮らしのマンションは、学生のひとり暮らしとは思えないようなマンションで、高大は圧倒された。  入るようにうながされて、廊下を抜けたリビングに行き、「奥が寝室だから、そっち使っていいよ」と言われ、寝室に案内された途端、高大は叫んだ。 「なんじゃこりゃー!!」  ベッドのそばに脱ぎっぱなしで服がうず高く積まれている。  洗濯物の山。  (……何かすごい山になってるー!)
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