67人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
4. バッグの中身 ☆
「もっと……もっとさわってぇ……」
頬を撫でるだけで乱れる高大のむせ返る匂いに、横峯は理性を失いそうになり、頭を振る。
ようやく、付き合えることになったのだから、優しく、ぐずぐずに甘やかして、ずっと一緒にいたいって言わせたいのに、壊れるくらい自分のものにしたい衝動が同時にこみ上げてきて、横峯は、つい高大の首筋に視線を向けてしまう。
(今じゃない、今じゃ……)
首筋から気を逸らし、高大の唇にむさぼりつくようにキスをする。
普段全然スキンシップには縁がないような高大も発情期の欲望には抗えないのか、横峯の激しいキスに応えるようにあぐあぐと舌が動く。
「んっ……おねがい……おねがいだから……入れてぇ……」
懇願するように高大が横峯に縋りつく。
「待って……ゴム取ってくる……」
ハッとして横峯が言うと、高大は「俺のバッグに入ってるからぁ……早くぅ……」と言いながら、自分が家から持ってきたバッグに手を伸ばす。しかし興奮して乱れて息も上がっているためか、バッグの中身を上手く出せず、バッグの中身がそこら辺に散乱した。
横峯は自分の頭が真っ白になるのがわかった。
最初のコメントを投稿しよう!