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横峯の匂いは高大にとって巣作りするに値しないものだったのかと思って、ちょっと落ち込んだが、その場で発情期が来たということは、少なくとも少しは刺激される匂いだったのかも知れないと、ポジティブにとらえて、欲しい入れてという言葉を真に受けてしまった。
本当は、無理矢理にでも番ってしまいたかった。「そのうち番う」なんて口約束だけでは嫌だった。
でも、高大がちゃんと番うつもりでいることがわかったから我慢した。
「はぁ……起きたら何て言われるんだろ……」
横峯は髪をかき混ぜて、それから慌てて整える。
「ずっと、話してみたいと思ってたんだけどな……欲張ったから、バチが当たったかな……」
寝ている高大をそっと抱きしめて、横峯は高大の匂いに顔を埋めて眠りについた。
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