5. 回る、回す  ☆

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 カアッと真っ赤になりながら高大は言いつのると、勢い良く頭を下げる。横峯は目を擦った。都合のいい夢を見ているようで。 「その上、そのまま寝ちゃって……俺が急にヒートになっちゃって、横峯くんに余計な手間かけさせちゃったから……それで、その……多分なんだけど、な、中に出してもらったからだと思うんだけど、今ちょっとスッキリしてるから、今のうちに洗濯しちゃおうと思って……」  真っ赤になりながら、状況を説明してくれる高大に、また襲いかかりたい思いを打ち消しながら、横峯はボソリと言った。 「洗濯なんて後でいいのに……」 「いやいや、だって横峯くん、しないでしょ」  今までモジモジしていたのに、そこは間髪入れずに返してくる高大がおかしくて、横峯は幸せってこういうことなのかなとしみじみ噛みしめて、首筋を噛みたい気持ちを追いやった。  それにしても、高大の中では横峯は全く洗濯しない人間認定されている。それはちょっと落ち込む。 「浴室乾燥いいね」  ボソッとそんなことを言う高大に、「じゃあ一緒に住む?」と言いそうになり、横峯は慌てて首を振る。 「あ、やっぱり」
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