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何がやっぱりなのか、高大は一人で納得すると、ハンガーにかけた洗濯物を浴室から移動しようとする。浴室乾燥で乾かそうとしてくれていたらしいその洗濯物を腕いっぱいに抱えた高大に、横峯は慌てる。
「え、どうしたの? どうするのこれ」
ひょいと取り返すと、高大は、「いや、外に干そうかなって」と言い出す。
「??」
「横峯くん、今からシャワー浴びるでしょ? それに浴室乾燥あんまり好きじゃないのかなって……」
さっきの曖昧な態度を浴室乾燥が好きではないと受け取った高大に、横峯は驚く。
「横峯くん、お日様みたいな匂いするから、やっぱりなぁって。外干しするのかなって」
高大はふわあっと笑う。
「じゃあ、外に干して、一緒にシャワー浴びよっか?」
ベランダに続くガラス戸を開けると、外の風がスーッと入り込んできて、熱くなった頬を撫でる。
「俺はもう浴びたからいいよ……」
途端にまた真っ赤になり、高大は目を伏せた。
「横峯くん、いっぱい中に出してくれたから、今ちょっと調子いいし、洗濯しちゃいたい」
危なく洗濯物を落としそうになって、横峯は慌てて物干しスペースに洗濯物をかけた。
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