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6. ヒートのち就職面接
ピーッピーッという音が鳴って、高大はハッとしたように我に返ると、真っ赤になって横峯から身を離した。
そして、横峯の猛ったモノを見て、視線をさまよわせた後、ぐっと言葉を詰まらせて、また赤くなってから、意を決したように高大は言った。
「その、洗濯物、シワになっちゃうから」
困ったように高大が言うので横峯は頭を振る。
「俺のことは気にしないで」
どうぞ、と紳士のように高大を解放する横峯の腕に、高大は手をかける。
「あ、や、その……そうじゃなくて、洗濯物干してから、なら、いいかな、って、あ、いや、それはおかしいよね……」
どんどん声が小さくなる高大にかぶせるように横は大声を出した。
「おかしくない! おかしくない!! 俺が干すから、ゆっくりお風呂入ってて!」
そこからの横峯は早かった。
素早く体を拭いて、バスタオルを腰に巻くと出て行ってしまった。
残された高大は、「ちょっと待って」と慌てたが、洗い流して色々して出ると、洗濯物は見事にベランダに干されていた。
何だかシワが伸びていない気がするが、きっと急いで干したのだろう。
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