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(えっ? 一言目からそれ? オメガの面接なのに、オメガに言っちゃいけないハラスメントワードいきなり……)
高大がぎょっとして面接官を見ると、面接官はにやぁっと笑った。
「君かわいいね。番う予定があるそうだけど、まだ番ったわけじゃないんだよね? ヒートはいつ?」
いきなりぶっちゃけた質問をされて、高大はたじたじになる。
「あ、いや、その、番う予定はあって、でも、あの、すぐに辞めたりしないように、ちゃんと……」
面接官の笑顔が濃くなる。
「ちゃんと? ちゃんと避妊はしてセックスするってことなのかな?」
高大はぐっと詰まった。
聞いていた圧迫面接よりぐいぐいパワーワードが連発され、淡々と聞かれるならまだしも、面接官の笑顔に気持ち悪さが増す。
「あ……はい……」
しょぼしょぼと俯いて返事をすると、面接官が立ち上がる。
高大が「えっ?」と思っているうちに、面接官は目の前にきて、高大の頬に触れる。ゾワゾワと鳥肌が立ち、高大は思わず身を引いた。
「君本当にかわいいね。頑丈なチョーカーしてるけど、彼氏からのプレゼントかな?」
どう考えても面接に関係ないであろう内容に、高大は身を震わせた。
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