7. 安心する匂い

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 その顔を、横峯の手がそっと支えて、「擦ったら腫れちゃうよ」と目もとをなでる。  それが心地よくて、高大は横峯に身を預けた。  安心してしまうと、震えがこみ上げてくる。 「こ、こ、こわ、怖かった……何で、こんなことに、なっちゃったんだろ……」  口に出すと、身体の震えが急に強くなって、ガクガクとおかしいくらいに震えて、高大は自分でも困惑した。 「どうしよ……何だろ……あれ??」  震えを止めようと高大は自分の腕で自身をギュッと押さえつけるが、震えは止まらない。  横峯が、高大の身体をそっと包み込むように抱きしめて、震える身体を覆って、背中を優しくトントンしてくる。  背中がほんわりあったかくなって、横峯の鼓動だけが聞こえて、高大は目をつぶった。  いつの間にか眠ってしまった高大をベッドに寝かし、横峯は鋭い顔をして立ち上がろうとした。  くん、と引っ張られふと見ると、服の裾を握りしめられていて、横峯は思わず微笑んだ。 (――かわいくて、愛しくて、守りたい)
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