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アルファの友達なんていないし、アルファの友達を呼んで合コンしてくれるような友達もいない。サークルも結局入っていないから、頼れる先輩後輩もいない。
高大は、中学でオメガだとわかってから、人との距離感を掴みかねて、仲のいい友達を作れなかった。小学生の頃は仲の良かった友達は結構いたが、結局クラスの大半はベータで、多分高大はたった一人のオメガだった。怖くて誰にも相談することもできず、それまでの友達とは疎遠になった。
アルファと番にならなければと思った時、高大は、学年で一番頭が良くて、背が高くて、第二性の検査をする前から「彼は絶対アルファだ」と言われていた男がいたのを思い出した。大学も確か一緒だったはずだ。
高大は、確率的にどこの学部の学生も集まるであろう食堂にまず行ってみることにした。
人の多いところは何となく怖くて、あまり今まで食堂を利用したことがなかったため、高大は券売機の前で迷っていた。
「うどん……カレーうどん……月見うどん……山菜うどん……山菜おろしうどん……うどんだけでこんなにメニューあるんだ……山菜おろしならそばがいいかな……」
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