8. 約束  ☆

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8. 約束  ☆

 洗濯機の前まで洗濯物を抱えて持ってきて、下ろす前に高大はもう一度深呼吸をした。  洗濯物から香るのは安心する匂いなのに、胸の奥の方がザワザワして、どこか落ち着かなくなる。  高大はふと気づく。  今日の面接が失敗だったということは、番う予定はなくてもいいのだと。  第一志望の会社以外は特に噂はなく、オメガ枠を埋めるためにオメガ大歓迎みたいなところもあった。  それでももう離れられないな、と高大は思った。  いつの間にか、横峯と一緒にいることが当たり前のように感じるようになっていた。 (欠点は洗濯物溜めちゃうことくらいだもんね……)  はーっと息をついて、高大は洗濯物を洗濯機に突っ込み始める。  白物はあまり多くないから、色柄物を洗ってしまおうと、白物を避けながら洗濯物を入れて、ふと手に取った下着を高大は見つめた。  直接肌につけるものだからだろうか、他のものよりも匂いが濃くて、思わず知らず顔を寄せて、匂いを確認した。  以前ヒートの時に交わった時のことが思い出されて、自然に身体が熱くなる。  本物は、もっと、濃い匂いだった。  高大は、そろっと自身の下履きを下ろす。
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