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10. 互いの気持ち ☆
高大の言葉に横峯は頷くと、高大を起こしてくれる。
高大は横峯の手を握り、手を引いて居間兼寝室の部屋に通す。
「座って」
人をダメにするクッションの上に高大が横峯をぎゅうぎゅうと座らせると、横峯はちょっとだけ目を丸くした。横峯の身体がスゥッとクッションに吸い込まれるように埋もれる。
その前に膝をついて座ると、高大は正座になり、横峯の目を見る。
横峯も慌てて正座をしようとしたが、クッションから起きようとしたら高大に膝を押された。
「よこみ……あの、大輔くんって呼んでもいいかな?」
高大は横峯をじっと見たまま、眉をキュッと下げる。
横峯が頷くとどこかホッとしたようにぎこちない笑顔になると、高大は口の中で大輔くんと何回か練習するように繰り返して、それからもう一度横峯を見て呼ぶ。
「大輔くん、俺大輔くんと一緒にいたい」
横峯がまばたきをして、高大を見返す。目と目が合うと嬉しそうにヘラッと笑う高大に横峯がうぐっとクッションに沈み込んだ。
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