11. それから

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11. それから

 次の日、高大の家から大学に行くことになって、横峯は高大に「新婚さんみたいだね」と何度も言った。えへらっと笑って、イケメンが鼻の下を伸ばしているのを高大は初めて見た。それでもイケメンは色褪せない。  笑顔プライスレス。  朝起きて1回。  朝ごはんを作ってるのを見て1回。  朝ごはんで1回。  シャワーを浴びるか聞いた時に1回。  家を出る時に1回。  あまりにも横峯が「新婚さんみたいだね」を繰り返すので、高大は家を出たところで「新婚さんみたいに手を繋ぐ?」と冗談まじりに言ったところ、がっちりと新婚さんみたいに手を繋いで歩くことになった。 「今日はどうする? うちに来る?」  横峯に聞かれて、高大は横峯を見返す。  肯定以外の返事を言ったらこの笑顔が壊れてしまうのではないかと思ったら、きゅうと胸が痛んで、高大は戸惑いながらも頷いてしまう。  高大は慌てて家に戻って学校の用意以外の泊まりの荷物も持った。  ヒートが来たら番おうという約束はそれだけでヒートが早まりそうなくらい期待値が高くて、自分はオメガなんだなと高大は再認識する。
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