11. それから

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 前はそれがわずらわしいことのように感じていたのに、横峯のそばにいるとオメガであることが肯定されているようで、高大はいつも不思議な気持ちになる。  中高が一緒だったけれど、その頃の高大は自分がオメガなことで、周りとの交流を避けがちで、だからもちろん横峯と全く接点はなかった。 (雲の上の存在……みたいだったんだよなぁ……)  昔から何でも万能で、自然に周りに人が集まってくるタイプだったから、高大のことなんて知らないと思っていたのに、向こうから声をかけてくれた。  自然と毎日が楽しくなって、慌ただしくてドキドキもするけど、それでも何でだろう、横峯が高大を尊重してくれるのが高大にはわかったから、何も嫌な気分にはならなかった。 (何か大輔くんが俺に骨抜きになってるとか、噂されてるんだよなぁ……)  横峯は繋いだ手に嬉しそうにキスして、目が合うと笑う。 (これは確かにそう言われてもおかしくないけど……)  高大は考える。 (もしかして、大輔くんも恋人同士とか初めてだから距離感がわからないんじゃ……)  はたとそう思うとそうな気がして、高大は笑顔の横峯に声をかける。 「今日はお昼学食行かない?」
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