11. それから

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 熱が上がってきた気がして、高大はふと気付く。ザワザワと下から上がってくる感じがする。 (多分この感じは……)  ヒートが来たのかも知れないと、高大は震える。ベッドにもぐり、丸くなってから、スマホを手繰り寄せ、横峯にメッセージを送ろうとして、授業の邪魔をしたくなくて、手を止める。 (授業終わったらすぐ帰ってくるって言ってたし、待とう……)  目をつぶって、横峯の匂いに包まれて、浅く息をつく。  熱くなってくる身体をきゅっと抱えて、心の中で横峯を呼びながら、高大はやり過ごした。 「ただいまー!! 大丈夫だった?? あれ?」  パタパタと慌てて部屋に入ってきた横峯は、ベッドの中で洗濯物に埋もれている高大に駆け寄り抱きしめる。 「ヒートきたんだね。連絡くれたら良かったの……」  言いかけて、高大のスマホを見つける。 「……送信してくれてよかったのに……」  自分の恋人が気遣いの人だったと思い出して、横峯はまた高大をギュッと抱きしめた。 (待たせてしまった……)  横峯は汗をかいた高大の額を拭い、キスを落とす。高大のむせ返る香り。理性が飛びそうになるのを横峯はやり過ごす。
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