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熱が上がってきた気がして、高大はふと気付く。ザワザワと下から上がってくる感じがする。
(多分この感じは……)
ヒートが来たのかも知れないと、高大は震える。ベッドにもぐり、丸くなってから、スマホを手繰り寄せ、横峯にメッセージを送ろうとして、授業の邪魔をしたくなくて、手を止める。
(授業終わったらすぐ帰ってくるって言ってたし、待とう……)
目をつぶって、横峯の匂いに包まれて、浅く息をつく。
熱くなってくる身体をきゅっと抱えて、心の中で横峯を呼びながら、高大はやり過ごした。
「ただいまー!! 大丈夫だった?? あれ?」
パタパタと慌てて部屋に入ってきた横峯は、ベッドの中で洗濯物に埋もれている高大に駆け寄り抱きしめる。
「ヒートきたんだね。連絡くれたら良かったの……」
言いかけて、高大のスマホを見つける。
「……送信してくれてよかったのに……」
自分の恋人が気遣いの人だったと思い出して、横峯はまた高大をギュッと抱きしめた。
(待たせてしまった……)
横峯は汗をかいた高大の額を拭い、キスを落とす。高大のむせ返る香り。理性が飛びそうになるのを横峯はやり過ごす。
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