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12. 時満ちて番う ☆
ギュッと高大を抱きしめて、離したくない横峯は、鍵を取りに行くかどうか一瞬ためらった。
「今すぐ……おねがい……」
高大は抱きしめる横峯にくたっともたれかかったまま、すがりついている。こういう時だけおねだり上手な高大に、横峯は抱きしめる力を強めてしまう。
横峯も、高大のヒートの香りにあてられて、首のチョーカーの周りを甘噛みしてしまう。
「さわって……」
高大がシャツを自分でめくる。
ハーフパンツも自分で下ろし、横峯の目に艶めかしい高大の姿が映る。半端に脱いで見える肌に、横峯はゴクリと喉を鳴らした。
逡巡した末、結局横峯は高大を抱き上げて、抱きしめたままチョーカーの鍵を取りに行こうとした。高大は横峯の身体にすがりついて、肌を擦り合わせる。高大の胸の突起が横峯の鎖骨の辺りに引っかかり、その度に高大は息を漏らした。
「ふっ……んっ……ふっ……」
まるで自慰行為のようで扇情的な高大に、横峯は鍵を探すことをしばし忘れた。
もうどこに鍵があるのか頭から飛んでいたが、何とか荷物の中から横峯は必死で鍵を取り出す。
鍵をチョーカーにかざして、横峯はロックを解除した。
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