12. 時満ちて番う  ☆

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 ガブリ、と横峯は歯を立てる。  歯が食い込むと、力が入り、横峯のものは奥のその奥まで進む。  噛んだうなじから血の味がして、それすら甘く感じてうなじをベロリと舐める。 「……だいすけぇ……」  高大が、名前を呼んで、横峯を振り返る。 「高大……」  高大は横峯にキスすると、そのまま意識を手放した。  高大が目を覚ますと、横峯に後ろからハグされて寝ていた。どのくらい気を失っていたかわからない。そっと手でうなじを探る。  ザラリと噛み跡が手に触れて、高大は自然と口もとがゆるむ。血は止まったのか、手にはついてこない。 (番ってくれてありがとう……)  高大は横峯にハグを返そうと後ろをむこうとして、止まる。  横峯のものがまだ高大の中に入ったままだった。 「えっ……えっと、大輔くん……」  後ろから前に回っている横峯の腕をトントン叩くと、横峯が目を覚ます。 「あの、抜いてもらって……いいかな……」  高大が恐る恐る言うと、横峯は少しの間の後に、首を振る。 「今抜けないから、もう少し待って」  まさか、と高大は震える。確かに、根元で引っかかっている感触がある。 「ひあっ……」
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