74人が本棚に入れています
本棚に追加
すべては、高大を囲うためだったとしても、うまくいかず、洗濯しないで溜めた服は、洗濯機に突っ込まれて怒られた。
怒られたことすら嬉しかった。
どこかそれまで、すべてにおいてちょっと遠慮が見えた高大が「洗濯しろよ!」と声を荒げた時、巣を作ってもらえなくて残念に思いながらも、嬉しかった。
ゆがんだ気持ちだとわかっているけれど。
横峯は高大に「『恋は盲目』過ぎる」と言われても、高大を離すことはできない。
眠る高大のうなじにキスすると、くすぐったかったのか身じろぎする。
本当は誰にも見せたくないし、危ない目にあってまで就職なんてしなくていいとさえ思っている。
高大ががんばっているから、就職活動を応援しているが、決まらなくても多少強引にでも一緒に住むつもりで、横峯は最近準備していた。
番ったからには、親に挨拶、結婚、と一気に周りまで固めたい。
横峯は、眠っている高大をしばし見つめると、優しく起こした。
最初のコメントを投稿しよう!