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14. デートは青空の下
横峯と番って、スッキリした気持ちで高大は就職活動に身を入れ直した。
企業には一定数のオメガを雇う義務があり、オメガ枠を設けている企業が多いが、そういう枠はいいところからさっさと埋まってしまう。誰だって良い環境で働きたい。オメガが良い環境で働くためにはそういう環境が整った企業は争奪戦になりやすいのは当たり前で、ゴタゴタから出遅れてしまったため、高大は手当たり次第に受けていた企業を改めて見直してチェックすることにした。
「うーん……」
ノートパソコンの前で根を詰めている高大に、横峯がホットミルクを入れてくれる。
「無理しないで、自分にあったとこみつかるといいね。でも、今度の週末はちょっと休もう」
後ろからハグされて、うなじに横峯のおでこがコツンと当たる。首筋にかかる髪の毛がくすぐったくて高大が身動ぎすると、パッとおでこが離れて、顔がのぞき込まれた。横峯と間近で目が合う。高大は横峯にするっと眉間を撫でられて、額の髪の毛が横峯の両手で直される。
「パソコンとにらめっこしすぎだよ」
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