74人が本棚に入れています
本棚に追加
絶賛した高大のそばでクスリと笑う人がいて、高大は口をつぐんだ。
「すみません。おかわいらしい反応でしたので……」
その人はスラリと背が高く骨太そうな体格で、纏うオーラが芸能人かなと思うくらいだった。
一瞬、横峯がピリッとした空気になり、高大を引き寄せた。
「そんなに警戒しなくても……」
苦笑いをしてその人は名刺を差し出してきた。
「パティスリー……ジャドレララバント??」
名刺は横書きで、横文字が並んでいる。
Patisserie j'adore la lavande
Patissier 佐野享
そう書いてある名刺を見ながら首をかしげている高大に、笑いながらその人が自己紹介した。
「Patisseriej'adore la lavandeです。佐野享と申します」
「へぇー……あ、もしかしてこのケーキ!!」
佐野は肯定するようににっこり笑った。
「全部おいしくて、ほんとうにすごいなって話してて」
「ありがとうございます」
ちらっと佐野が横峯にも視線をやり、高大は慌てて自己紹介する。
最初のコメントを投稿しよう!