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「鈴木高大です。こっちは横峯大輔……」
横峯は自己紹介する高大を複雑そうに見ている。
「お二人は番になられて……ご結婚される??」
結婚式場に見学に来ているのだから、普通はそうに決まっているのだが、そこまですぐにうんと言えず高大は横峯を見た。
「ええ、いずれ」
堂々と答える横峯は、未だに警戒を解いていない。高大はおろおろしながら、佐野を見ていた。
横峯は警戒しているが、高大には温かいまなざしに見えて、笑顔を返した。すると、高大を引き寄せた腕が強くなる。
「ハハッ、そんなに警戒しなくても、私は一途ですから。番以外に邪な感情は抱きませんよ」
朗らかな態度は崩さないで、佐野は「これもオススメです」と差し出してくる。
プチシューはかわいくて、口に入れるとフワッと香って中からカスタードが出てくる。
「うまっ!」
高大は、ピリピリした横峯の口にもプチシューを突っ込む。
「ん! ……うまい……」
横峯がうなる。
「結婚式ではプチシューのタワーが人気なんですよ。クロカンブッシュって言って、高く積んだシューのひとつひとつに感謝の気持ちが込められてるんです」
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