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タイミングを見計らったように小さな声で耳元に問いかけられて、高大はそばが変なところに入っていくのを感じた。
声が耳に響いてゾワゾワしたし、オメガと指摘されて、やはりアルファにはわかるのだなと高大はヒヤッとする。
「ゲホッ……」
「あ、ごめん。大丈夫?」
高大は軽く手を上げて大丈夫と横峯を制すると、水を飲んで、恐る恐る横峯を見る。横峯の顔には嫌悪感や面倒くさそうな色はない。
「あの、それ……それは、やっぱりわかるものなの?」
冷や汗をかき、高大は横峯に問う。
「わかるよ。いい匂いがするんだ。ていうか、ずっと鈴木のこと気になってた」
(え、何で??)
高大はキョトンとして、横峯をもう一度見る。横峯はふわっと笑って、高大の顔を覗き込むようにまっすぐ見つめて、言った。
「多分俺たち相性いいと思うんだよね。俺と付き合ってよ」
高大は、信じられない思いで、横峯を見返した。
(付き合うってその付き合うだよな?)
いきなり軽い感じで言われたのに動揺して、横峯に聞き返す。
「付き合ってくれるの?」
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