1. 大学食堂の山菜おろしそば

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 タイミングを見計らったように小さな声で耳元に問いかけられて、高大はそばが変なところに入っていくのを感じた。  声が耳に響いてゾワゾワしたし、オメガと指摘されて、やはりアルファにはわかるのだなと高大はヒヤッとする。 「ゲホッ……」 「あ、ごめん。大丈夫?」  高大は軽く手を上げて大丈夫と横峯を制すると、水を飲んで、恐る恐る横峯を見る。横峯の顔には嫌悪感や面倒くさそうな色はない。 「あの、それ……それは、やっぱりわかるものなの?」  冷や汗をかき、高大は横峯に問う。 「わかるよ。いい匂いがするんだ。ていうか、ずっと鈴木のこと気になってた」 (え、何で??)  高大はキョトンとして、横峯をもう一度見る。横峯はふわっと笑って、高大の顔を覗き込むようにまっすぐ見つめて、言った。 「多分俺たち相性いいと思うんだよね。俺と付き合ってよ」  高大は、信じられない思いで、横峯を見返した。 (付き合うってその付き合うだよな?)  いきなり軽い感じで言われたのに動揺して、横峯に聞き返す。 「付き合ってくれるの?」
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