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②しょうが、にんにくを加えて炒め、水を加えます。
「え……」
高大は、フリーズした。入っていないものが出てくるとは思わなかった。カレーってしょうがとかにんにく入れるのか。冷蔵庫に入っているわけがない。買ってもいなかった。
「あー、えーと……」
火を消して、スーパーに再チャレンジしようとして、レシピの先を読むと、トマトやらヨーグルトも必要と書いてあり、げんなりする。
「普通のカレーにすればよかったな……」
ひとり言も自然に口から出る。普通のカレーならとりあえずすごくおいしくはなくても、不味いということはないはず。高大はしばし考えた後、「何かいい匂いだし、このまま普通のカレーにしてもいい気がする」とそこに鶏肉をぶち込んで炒め、にんじんとじゃがいもを入れて、水を入れて煮込んだ。
火を止めて、スーパーにカレールーを買いに行きながら、高大は慣れないことはするもんじゃないなとため息をついて、見慣れたカレールーの箱を手に取った。
横峯が来る頃には、カレーは完成して、家の中がカレーの匂いでいっぱいになっていた。
「我ながら、いい感じにできた気がする」
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