67人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
高大はカレーを味見して、最初に謎のテンパリングスパイスというやつを入れたからかめちゃめちゃ本格的っぽい感じになった気がすると嬉しくなった。
ソワソワしてインターホンの前で横峯を待ってしまう。
音が鳴ったか鳴らないかのうちに「はーい」と出てロックを解除すると「早押し?」と微かに横峯の声がした。
ドアを開けた横峯は開口一番「うわー、すごいなー。クミンの香り」と言った。
高大は、口を半開きにして「くみん……?」と首を傾げた。何それ。この匂いはインドの香りじゃないの?
「今日はカレーなんだね。本格的だ」
ニコニコと横峯は勝手知ったる何とやらで、高大がボーッとしている間に上着を脱いで、手を洗ってから、皿を取り出す。高大はしゃもじを握ってごはんをカレー皿によそいながらも、クミンのことを考えていた。高大がごはんをカレー皿によそうと、横峯が高大の作ったカレーを皿にかけた。
「あー、こんな美味しそうなカレーなら、パン屋でチーズナン買ってくればよかった」
横峯が言うので、高大は「ちーずなん」と横峯の言葉を繰り返す。
「チーズのナンだよ。カロリーやばいけど、めちゃめちゃ美味いよ」
最初のコメントを投稿しよう!