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シナモンを見つめる高大を驚いて見つめた横峯の視線に、高大は自然にうつむきカレーを見つめる。よく見ると、カレーには謎の小さな種みたいなものが入っている。
「うん、スパイスセット……大輔に美味しいの食べてほしくて……」
語尾が小さくなる。もしかするとこの小さな種みたいなのも取らなきゃいけないやつだったのかもと高大は不安になる。葉っぱも見える……これは絶対取り出すやつだ。
「実はよくわかってなくて……スパイスって……」
うつむいた高大に、横峯は「ありがとう、美味しいよ!」と言う。
「次はもっとちゃんと作るし、ナンも用意するから」
高大が言うので、横峯はにやける口もとを誤魔化せなかった。
「あーもう! 一緒に作ろう? 一緒に住もう??」
「は……え??」
今の話のどこにそういうタイミングがあったのか。
「一緒に住もう?」
突如飛躍した話に、高大は目を白黒させた。
「可愛くて、カレーだけじゃなくて高大も食べたいってこと」
横峯は向かい合った席から立つと、そのまま高大をギュッとハグした。
「あっ!」
気づいた時にはスプーンが横峯の服についていた。
「すぐ洗濯……」
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