【おまけ】 卒業旅行は温泉に!! ☆

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 遠足もほぼ行かなかったので、「遠足前の夜状態だな」と横峯に指摘されて、初めて高大は自分がそういう状態なのだと知った。  さっきから旅行鞄を開けしめして、忘れ物がないか何度もチェックしている。薬は持ったか、歯ブラシは、着替えは、と何度目かの確認をしていたら、高大の頭の上から聞き捨てならない言葉が聞こえた。 「現地で買っても大丈夫なんだから」  現地で買う、なんて想像もしていなかったから、高大ははビックリして横峯を見つめた。 「買うの?」 「忘れたら、だよ。だから心配しなくても大丈夫」  ホッとするというより、余計不安になって、横峯の顔を見つめていると、ムニッと頬をつままれた。 「そんな緊張した顔してないで楽しい旅行にしよ」  つまんだ頬をそっと両手で包んで、軽いキスをされる。  安心感に、高大の顔の筋肉が緩む。 「ちょっとその顔はズルい」  横峯が言うが、自分の顔が今どの顔かなんてわからない。高大がぎゅむっと顔に力を入れると、またキスをされた。 「楽しい旅行にしよ?」  もう一度言われて高大が慌てて頷くと、横峯に優しく微笑まれた。  翌日は、洗濯日和の青空……とはいかなかった。
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