67人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
ちょっとガッカリした高大に、横峯は笑って「洗濯日和だったら洗濯したくなっちゃうでしょ」と言って、買ったばかりの車に、荷物と高大を乗せた。
軽自動車だけど、背が高くて室内が広めの車は新しい匂いと、横峯の匂いがした。
「何か、いい匂いするね」
ボソッと高大が言うと、横峯は高大のかぶっていたキャップをギュッと下げた。
「……出発前から意識しちゃうからそういうこと言っちゃだめだよ」
苦笑いし横峯はシートベルトをつける。明るく「出発ー!」とオーディオのスイッチを入れて出発した。
オーディオから流れた曲は恋愛ドラマの主題歌になってた曲で、高大はフフッと笑ってしまう。雰囲気重視の横峯のチョイス。
ナビは前の日から入れていたらしい。横峯も準備万端で、同じだなと高大は嬉しくなる。
横峯の運転は危なげなく、「普段から乗ってるの?」と高大が聞くと、「ペーパー講習通ったから」とこともなく言う。
最初のコメントを投稿しよう!