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『ありがとうご主人様。
仲間達は満足して消える事が出来ました』
一目で分かる、それは間違いなく俺のレイカだった。
呼び方が変わったな、マイワールド?
もしかしてレベル50を超えるとゲームタイトル回収だったのかな?
『あなたの元に生まれて本当に良かった。
さて、私が消える前に──』
レイカが空間を剣で切り裂く!
『うわっと』
すると隠れていたナガレが現れた。
『ナガレの素敵なご主人様、そろそろ出てきてくださいませんか』
その呼びかけに、恥ずかしそうにナガレの背中から現れたのはなんと。
「──レイカ!?」
それはトナカイの角を持たないレイカ。
別れた本物のレイカその人だった!
「秋葉君、久しぶり。
名前がそのままだったしキャラがレイカだし、ずっと前から君だと思っていたの」
あんなに気が合う人とはもう会えないと思っていたが、まさかゲームの中で再会していたとは。
「ちょっと待ってくれ。
なぜ君はここにいる!?まさか」
「うん。私も応募したの。そして逃げて来たの。
20万人のナガレから」
そんな事まで気が合わなくても──20万人!?
『……どうやら見つかったみたいだぜご主人様』
ナガレが空を見上げる。彼と同じ姿の無数のナガレが接近して来る。
『ご主人様、ここはゲームの世界。同じ手で二面をクリアする事は出来ません、戦いますか』
レイカが剣を構えて言う。
もう元の世界には戻れないのだろうか。
俺の道は俺の世界になってしまったのだろうか。
……それも悪くないかな。
いいさ、共に行こうレイカ。
世界の全てを知り、そして壊すために!
タタタン!
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