全てのレイカは俺のもの

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普通なら大怪我は免れない所だけどな。 周りにいるのは屈強な氷の剣士達だ。 崩れたアパートは氷で固められて。 外にもレイカ達は待機していて。 俺を華麗に受け止めてくれた。 『『『『『ご主人様(マイロード)!』』』』』 声を合わせ片膝を突いて。 服従のポーズを取るレイカ。 同じ顔同じ声同じ服同じ姿勢。 レイカが見渡す限り並んでいる。 あっちの海辺から向こうの山まで。 一体何人いるのか数え切れないほど。 「い、一体どうなってるの??」 タタン。 近くにいたレイカの一人が立ち上がる。 『それでは代表してご説明致します。 あなたは「マイロード・ワールド」のサービス終了に伴うキャラクタープレゼントに応募、私ことレイカを希望されましたね?』 「は、はい」 『終了の憂き目に遭ってしまいましたが、最盛期は100万ダウンロードを達成したこのゲーム。選択可能な14人のキャラの中で私は7番目の人気でした。 私を選んでくれた方の数が約10万人。 つまりスマホの中に生を受けた私が10万人。 その全員がご希望通りここに集結しました。 今日から全てのレイカはあなたのもの』 「え」 『さあ、共に我が道を行きましょう! これからは私達の心も体も、あなただけの為にあるのです』 なにそのハーレム物か転生物みたいな、は、は…… 「はっくしょん!」 『ああ、すみませんご主人様(マイロード)。上着をお持ちしますわ』 氷の剣士がこれだけ集まってるせいで、春なのに街は白く雪が積もり凍っている。 そんな夢の様な世界の中に突然、現実っぽい音がした。 車のクラクションだ、それもたくさんの。
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