50人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
多勢に無勢。
俺の両手は呆気なくベッドの柵に腕が上がるように縛られ、足は大きく開くように左右それぞれにベッドの柵に縛られた。
「吾作さ〜ん、コイツ傷付けても良いっスか〜?」
懐から折り畳みナイフを取り出し、片手でクルクル回しながら、野郎の1人が先輩に訊く。
「死なない程度なら良いぞ」
先輩はニタァと笑いながら、野郎に応えた。
俺が抵抗しようと思っても四肢は既に自由を奪われている。
だが、下手に動いて傷が深くなるよりマシかもしれねー。
最も野郎がどれくらいの傷を負わすのか解らなかったが。
野郎はナイフの刃を出すと俺の服を切り裂いた。
服だけ切るつもりだったようだが、時折、鋭い痛みが走る。
「…っ…!」
俺は思わず顔をしかめた。
「ククッ!その苦悶に満ちた表情、堪んねえな!」
「だけど、悲鳴の1つもあげねえのは、面白くねえな!」
そう言う野郎もニタニタ笑いながら、切り裂かれた服から覗く俺の体を見ている。
「コイツ、意外と良い体してやがる。スポーツでもしてるのか〜」
先輩が口を挟んだ。
「こいつの家は極道だ。1対1だと先ず負かされる」
『極道』という響きに野郎達が顔を引き攣らせた。
だが、先輩だけは平然としている。
「だけど俺が散々攻めたからな。俺無しでは生きていけない体になっている」
最初のコメントを投稿しよう!