相反する心と体

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多勢に無勢。 俺の両手は呆気なくベッドの柵に腕が上がるように縛られ、足は大きく開くように左右それぞれにベッドの柵に縛られた。 「吾作さ〜ん、コイツ傷付けても良いっスか〜?」 懐から折り畳みナイフを取り出し、片手でクルクル回しながら、野郎の1人が先輩に訊く。 「死なない程度なら良いぞ」 先輩はニタァと笑いながら、野郎に応えた。 俺が抵抗しようと思っても四肢は既に自由を奪われている。 だが、下手に動いて傷が深くなるよりマシかもしれねー。 最も野郎がどれくらいの傷を負わすのか解らなかったが。 野郎はナイフの刃を出すと俺の服を切り裂いた。 服だけ切るつもりだったようだが、時折、鋭い痛みが走る。 「…っ…!」 俺は思わず顔をしかめた。 「ククッ!その苦悶に満ちた表情、堪んねえな!」 「だけど、悲鳴の1つもあげねえのは、面白くねえな!」 そう言う野郎もニタニタ笑いながら、切り裂かれた服から覗く俺の体を見ている。 「コイツ、意外と良い体してやがる。スポーツでもしてるのか〜」 先輩が口を挟んだ。 「こいつの家は極道だ。1対1だと先ず負かされる」 『極道』という響きに野郎達が顔を引き攣らせた。 だが、先輩だけは平然としている。 「だけど俺が散々攻めたからな。俺無しでは生きていけない体になっている」
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