112人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど、鈴木くんの顔色は冴えない。
どうしたんだろう??
「千夜くんはどうやら入院していたようです」
「入院?!どこに?!」
「若葉大学病院の外科病棟みたいです。恐らく事故で怪我されたのでしょう。只、面会出来るかどうかは…山村先輩?!」
僕はいてもたってもいられなくなって鞄を抱えると病院に向かって放課後の体育館裏を後にした。
病院に着いた時には、夕方だったけど面会時間にはギリギリ間にあった!
僕ははやる気持ちを抑えて受付まで行く。
「たも…じゃない!千夜保くんと面会したいです。病室の場所を教えてください!」
僕のよく通る声は病院内に響き渡った。
受付のお姉さんもビックリしてる。
その時、僕は後ろから男の人に声を掛けられた。
「キミは?」
振り返ると、白衣を着たお医者さんが僕を優しく見つめていた。
でも、何だか悲しそう。
僕は勢いよくお辞儀して言った。
「僕は山村凌って言います!保の先輩です!お願い、先生!保の病室まで連れてって!」
お医者さんは心の中で(後輩の間違いじゃあ…)と思っていたけど、僕にはわからなかった。
「千夜たもつくんは…今、眠っているんだ。だから…」
「お願いします!保の顔が見られるだけで良いんです!」
お医者さんは困った顔をしてたけど、小声で「この子が来てくれたなら、千夜くんも心強いかもしれないな…」と言ったけど僕にはよく聞こえない。
最初のコメントを投稿しよう!