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僕の頭の中に、何かに繋がれて暴れる保の姿が強く残った。
事故に遭ったにしては何か変だ。
保の悲鳴のような声が蘇ってくる感じがして、僕は耳を塞いだ。
「保ー…どうしちゃったんだよう…」
下を向く僕の目から涙がこぼれた。
それから数ヶ月後。
俺は組長の親父が警察を嫌っている為、年齢偽装させたままにしてくれた。
お陰で逮捕される事は無かった。
そして精神科病院に転院し、薬物治療とカウンセリングを受けて、拘束具は外され、開放病棟に入院するまで回復した。
だが、心が回復するにしたがって体の方は再び先輩のサオが欲しくなっていた。
「だから、キミは愛された訳じゃない。言い方は悪いが性の奴隷にする為に洗脳されていたんだ」
診察時。
俺はいつしか医師に先輩に会わせてくれと頼むようになっていた。
先輩はどこにいるか解らねー。
だが、先輩に会ったら、この体の欲求不満を解消してくれるような気がしていた。
「でも、先輩とセックスしねーとこの体は満たされねーんだ」
「だったらマスターベーションをしなさい。又、怖い目に遭いたくないだろう?それにキミの言う先輩は未だに逃走中だ」
医師の正論を前に俺は何も反論出来なくなり、俯いて唇を噛み締めた。
先輩の事は嫌いだし、こえー。
だが、先輩のテクは俺が自分でヤるより遥かに気持ち良いのも確かだ。
怯える心と相反して、体は行方不明の先輩を求めている。
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