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「黒鳥君の青いペンギンはいつ頃からいたの?」
青羽少年と青いペンギン。二人はどんな会話をしていたのだろう。
「どうだろう。気づいたらいたんだよね」
「そっか」
「南乃さんはいつ頃からペンギン好きだったの?」
「私も。気づいたら好きだった」
そう言って私はふふっと笑ってみせた。
「黒鳥君は、水族館にペンギンを見に行ったりはしないの?」
「あまり行かないかな。なんか青くないペンギンを見てると、俺ってヤバいヤツなのかなって思えてきちゃって……」
「そんなことないよ」
いつも一人だった青羽少年は、青いペンギンのイマジナリーフレンドを作り出し、寂しい心を埋めていたのかもしれない。
「ペンギン、どこに行こうとしてるんだろうね」
「そうだね」
黒鳥君の黒い瞳は、通りの先をじっと見つめていた。
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