おとうさん……おかあさん……

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 ピーンポーン…… 「うん? 誰か来た……?」  もちろん彼氏じゃない。わざわざ押さない。しかし、誰だ? 宅配か? N(ピー)Kの集金か? とりあえずモニターチェックと…… 「──!? あれ? 誰もいない……」  はい、この時点で全身血の気が引いていく……。後ろを振り向く。はい、覗いています。そこにいます。さて足元確認。私の足を甘噛みしてる妖怪確認。はい大丈夫。さて、モニターに映らないあなたは誰ですか? ここはいつから溜まり場になった?  きっと無視してもドア開けなくても入って来ます。 「はい、3、2、1……いらっしゃーいっっっ」  目の前にはいかついガタイの大男と華奢で綺麗な女の人が立っている。そろそろ飽きられるかもしれませんが……もうお約束なので…… 「ぎゃゃゃゃゃ!」  はい、今度は誰ですか? こんな人、私のスマホのアドレスにありませんよっ。ちなみに私のスマホの待ち受けは彼氏とのラフラブ2ショット……うふっ。なんだけどちゃっかり居候がとびっきりの怖い顔でピースサインをして、ボンを抱えて写ってますっっ!    ──あらー素敵な家族写真ねって言われそうだが、私はこんなでかい怖い子供はいないのよっっっ! ── 「と、ところでどちら様で……」  って聞こうとした瞬間、後ろからカナ切り声が聞こえるっっ!! 「お、お父さんっ!!! お母さんっっっ!!」  そうですか、そうですか、今度は親子感動再会ストーリーですか? 良かったですねっ! ほら、ボンよっ、お前も飛び付け、ほらっ! なんならそのままハッピーエンドで連れていってください! お願いしますっ!!  なんて思ってたら、いきなり後ろのドアがピシャリと閉まった。  はいピシャリですか。 「──うん?  ピシャリ??」  後ろを振り向くと完全密封閉まりきり。隣の部屋からお経が聞こえるっっ!!! 「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」 「はいっっ?? なんで、お前がお経を唱えてるんだよっっっ!!! 見たことねぇぞっ、お経唱えてる地縛霊なんて聞いたことねぇぞっっっ!! いいかげんホラーのタグはずすぞって──ごらっぁぁぁ」
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