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「とりあえず、ど、どちら様でしょうか??」
取り乱しましたが怖いですっ! 怖いです! ボンは隅っこでおとなしくしてます。二本の尻尾は巻き付いてます。耳は閉じてます。髭は後ろ向き。目は飛び出るほど丸いですっ! 頭は低姿勢。はいっ! みなさんこれが猫が怯えてる状態です! 猫又ボンがこの状態! お隣引きこもり完全ロックで中からお経……。ということはみなさんお分かりですね。
──どうして、わたしが応対しないといけないのよっっっ。なんで彼氏さん留守なのよ……って鈍感な彼には無理かっ──
「申し訳ありません。こちらにうちの娘がいると聞いたものですから」
「はいっっ? 娘さん?」
後ろを振り向き確認する。つかつか開けてドアを開ける。
──ちなみに私にゃぁお経は通じんっ!!!──
カタカタ震えて踞るお隣さん。
「あの、こちらで丸くなって震えてる方で間違いありませんか??」
もう、私は白目状態だっ。今日は接待は一人だ。今ごろ気づく。
──あぁ、彼氏さんの鈍感合いの手が懐かしい──
「ほら、出てきなさい……娘ちゃんっっっ!」
綺麗で冷たそうな目で……あっ、目がある……お叱りモードのお母様?? らしき人がお隣女を呼びつけた。
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