おとうさん……おかあさん……

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「そうよ。せっかく自縛が取れたのに? お父さんと私、楽しみにしてたのよ……うううっっ……」  涙、涙で語るお母さん。でもね、お母さん……泣きたいのはこっちです。お父さんのお怒りポルターガイストで部屋は散らかり放題です。片付けはきっと私ですっっっ。 「だって、ここが楽しいんだもん」 「──だもん!?」  ──だもんだとぉぉぉ?? だもんっていいましたっっ?? 散々怖がらせておいて何をいまさら拗ねてブッてんだよぉぉぉ。あのニタニタの表情はどうしたぁぁぁ!!── 「馬鹿言いなさい!!! やっと成仏できたと思ったら遊び回って……お前は父さんたちがどれだけ心配してるのかぁ分かってるのかぁぁ!!!」 「ドンッ!!!」  だから口で擬音はやめてください。そっちが心臓ドキッってしますからっっ。 「もっと、楽しみたいのよ!! 早くで亡くなって、なんの楽しみもなくて一人であの部屋に閉じこめられて……毎日毎日つまんなかったのにあの人が教えてくれたの!! この世界はこんなに楽しいものがあるって!!! そしてこの人が私にいろいろ教えてくれたの!! ある意味私をここに留まらせた人! たがら、もう少しだけこの人たちと一緒にいたいのぉぉぉ」 「──えっ!?」    ──なんで私を指差す! ある意味私を留まらせたのが私っっ!? 楽しみを教えたのは彼でしょ!! それっ、こっちに火の粉が降りかかるよねっ? ほらほらほらっ おいっっっ ──  顔を見上げた瞬間、覚悟した! えぇ覚悟しましたよっっ!! 「お前かぁぁぁ!! 娘をたぶらかしたのはぁぁぁぁ!」 「あなたが娘おぉぉぉ……不良の仲間入りにぃぃぃ……」 「ドンッドンッドンッ!!」  お父さん目を真っ赤にして……口でテーブルを叩く音! 口から炎でも吐きそう!! 「トントトン、トントトン!!」  お母さん目を尖らせて……口でリズム音! 口からなんか冷気でも吐きそうな勢い!!  霊気が半端ないっっっ!! ──はい、私、死にましたっっ! みなさん短い間、お楽しみ頂きありがとうございましたっっ 〈了〉──
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