桜の木の下で恋をして

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7・アルバム 高校生活を卒業し、私と新一は社会人になった。 もちろん、今でも付き合っている。 私が今やっている仕事は、女優と雑誌モデルをやっていてドラマの撮影や雑誌の写真・自分の写真集を主にメインとして活動をしているが、テレビにもたまに出演をさせてもらっている。 芸能界一つで給料を稼ぐのは辛いことを分かっている私は、女優・雑誌モデルだけでなく歌手としてもデビューを果たしたのだ。 デビュー出来たのは、新一と自分の親とお兄ちゃんと里美さんと親友に友達の応援と支えがあったからこそだと思う。 ある日の、ドラマの撮影日。 私は、何時ものようにドラマ撮影に向かう時用の専用車で移動をした。 今の所の撮影ドラマのジャンルは恋愛ドラマだと聞いている。 私は、未だに恋愛ドラマのタイトルは聞いていないが、ヒロイン役を私が担当するのは事前に私専属のスタッフに聞いていたから、仕事面では心配はしなかった。 撮影現場に到着し、私はドラマ撮影に立ち会うドラマ監督にスタッフさんに出演者さんに挨拶を交わし、現場入りをした。 そして、私は監督に呼ばれ恋愛ドラマの台本を貰うついでにタイトルも聞くことになった。 「あやなさん、これからよろしくお願いします。恋愛ドラマの監督を努めさせていただきます。本田すみれと申します。」 「よろしくお願いします。」 女性監督と関わること自体初めてな私は、少し緊張気味だった。 すみれさんは、そんな私の表情を見て「大丈夫ですよ。」と私の緊張をほぐすような言い方をしてくれたから安心した。 そして、私はすみれさんから台本を受け取った。    恋愛ドラマのタイトルは、、、「桜の木の下で恋をして」と書かれていた。 私は、台本を開き自分のセリフを読んでいった。 台本の自分のセリフを読んでいくと、私の高校生活内での恋愛の内容と似ていた。私が、台本の内容を深読みしていると一台の車がドラマの撮影現場に入って来た。「ピーピーピー、、、。」 車のドアが開くのと同時に、出演者が降りてきた。 私は、急いで台本を読むのを中断して車の方に駆け寄り「ヒロイン役をやらせてもらいます近藤あやなです。」と言おうとした時だった。 「えっ!?」 ドラマの撮影現場に来たのは、、、今もなお付き合っている新一だった。 「なんで新一が、、、えっ!?」 「なんであやなが、、、えっ!?」 高校時代の頃と二人は相変わらず変わらなかった。 新一も私もこんな展開になるなんて思わなかった。 そんな気まずい雰囲気を新一が何とか壊そうと、主演挨拶をして来た。 「俳優・声優をやっている井上新一です。ヒロインの彼氏役をやらせてもらいます。これからよろしくなあやな。」爽やかな挨拶だった。 そんな爽やかな挨拶に続いて、私も大人の女性感を出しながら挨拶をした。 「女優・雑誌モデル・歌手をやっています近藤あやなです。ヒロイン役をやらせてもらいます。こちらこそよろしくお願いします新一。」私は長い髪を耳に掛けながら上目遣いをした。 お互いの挨拶が終わり、ドラマ撮影に取り掛かった。 長い撮影だった。 撮影休憩中に新一から話しかけられた。 「あやな。ちょっと気になるところがあるから直してもいい?」 「えっ、、、別に構わないけど?」 私は、少し自分の服装や身だしなみを隅々まで確認をしたが直すような部分はなかった。 すると、新一の手が私の手前まで来た。 新一は私の髪を手で優しく掬い上げゆっくり手を引いていった。 「綺麗な黒髪をしてるな。ヒロイン役には丁度いい髪質をしているし好きだよ。」そう言いながら私の長い黒髪を耳にかけ、耳につけていたダイヤモンドピアスを見てそっと私の耳元で囁いた。 「そのダイヤモンドピアスあやなに似合ってるな、大人になったあやなと会うと身長が次第に大きくなっているような感じがするのは俺だけか。」 「子供扱いしないでよ!もう立派な女性よ!女優に雑誌モデルに歌手をやってるのに馬鹿にしないでよ!!」 私は、目線を下に向けながら新一に強く怒鳴りつけた。 新一は少し驚いた表情を見せたが、次第に驚いた表情が和らぎ私のことを妹を見るかのように優しく微笑んだ。 その笑顔は、お兄ちゃんみたいだった。 私には、10歳年上のお兄ちゃんがいたから私がワンピースを着て化粧をして出かける準備をし終え、下の階に降りていくと必ずお兄ちゃんが階段のそばに立っていて何時でも微笑んだ顔をしている。 そして、お兄ちゃんが毎回言うセリフは特に決まっていて「あやなはいつ見てもかわいいな」とか「あやなは子供みたいな怒り方をするな」とか「あやなはそのままの身長でいいからな、お兄ちゃんの身長を抜かしたら禁物だぞ」とかを毎回必ず言ってくれるのはありがたいけど、、、少しひつこいお兄ちゃんだ。 私がおとなになった今でもなお、私のことを子供扱いをしてくるが、私のことを大切にしてくれるのは今でもよく分かる。 休憩時間は終わり、撮影を再開した。 長時間に渡りドラマの撮影が行われたが、無事終えることが出来た。 すると、新一から一通のメールが送られてきた。 「今日の撮影お疲れ様、ドラマの編集が終わり次第出演者に伝えるって監督が言ってたから。」 「分かった。わざわざメールして伝えてくれてありがとう、頼りになったよ。結果どうなるのか楽しみだね!」 「そうだな。」 今日のドラマの撮影の話で盛り上がっていたが、新一からまたもう一通のメールが送られてきた。 「あやなって今のところ結婚する予定とかあるの?」 次は、結婚生活の話になった。 「いや、今のところそんな予定は入ってない。」 「そうか。」 「それが、どうしたの?」 「いや!何でもない。おやすみ!」 「あっそう、、、。おやすみ、、、。」 その時は、何も気にすることはなかった。 そして、ドラマ撮影から一ヶ月半が過ぎようとしていた頃。 すみれさんから電話が入った。 「はい。もしもし?あやなです。」 「あやなさん!ドラマの編集を無事、終えました!!!」 「えっ!本当ですか!!」 「はい!」 「それは良かったですね!」 私にとって、ビッグニュースだった。 でも、より最大のビッグニュースが待ち構えていた。 「後、それだけじゃないんです!!」 「えっ!それは、何ですか?」 「それは、、、映画化が決定されたことです!!!」 「えっ!?」 驚きが隠せなかった。 私はつい、跳ね上がりその場でガッツポーズをした。 そして、その情報は出演者全員に行き渡り映画化撮影も行った。 ついに、映画公開日を迎え多くのニューステレビに出演し映画の宣伝を何度も繰り返し行いついに映画は公開された。 結果は、大ヒット映画にまで成長をした。 映画がヒットした事を、記念に舞台挨拶をファンの目の前で行い、舞台挨拶も成功に終わった。 そして、私は女優として雑誌モデルとして歌手としてより有名になった。 映画がヒットしたのも嬉しいことだが、私にも嬉しいニュースが来た。 それは、高校まで長い間付き合ってきた新一から私は新一からの一通のメールで「俺達が、高校の頃最初に一緒に出かけた場所で待ってる。」と送られて来て私はメールのいうとおりに花々遊園地に行き初めて乗った観覧車をもう一度新一と一緒に乗り景色が一望できる頂上まで到達した頃に新一からプロポーズをされ結婚する事になったのだ。 そして、私と新一は結婚するにあたって結婚生活に必要な家電などを買い、住む家も無事に決まり結婚生活に向けての計画が順調に進められた。 私は今、より立派な大人の女性になるための成長アルバムを新一と一緒に作る生活をスタートした。
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