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「道雄、そんなことまでして俺たちの為に俺達何も知らないで缶詰食べていた、申し訳ない」
皆んなで甲板に出て道雄に聞こえることを願って大きな声で叫んだ。
「道雄〜!ありがとう〜幸せになってくれ〜いつか会おう〜」
皆んな泣き崩れた。
「もう泣くな!みんなが元気に家に帰るのが道雄の願いだ笑え」
「政雄お前が一番辛いだろうに!よし、笑おう」
道雄はヤシの陰から船を見送っていた。
「道雄、私達も行くよ!」
「この服着て」
「マイク、これって女もの」
「女に化けて!念のためだからお前を日本兵と知っているものもいるから化粧もして口紅もつけて」
「どう?マイクこれでいい?」
「ハハハ、化粧は下手!」
「そんなに笑わないで」
「私が化粧してあげる」
「どう?別人になった?」
「うん、美しい婦人だ!ミチオ別人になったぞ、これでは親でもわからない」
「別人で生きようと思っていたから丁度いいや、俺これから女として生きる!あ、わたし女よ」
「ふふふ、美しいよミチオ!さぁ行こう」
「マイク、私達何処にいくの?」
「私の故郷だよ!オーストラリア」
「え?マイク、イギリス人じゃないの?」
「私はオーストラリア人だよ」
「へ〜!オーストラリアってどんな所なんだろう」
「私の故郷は田舎でのどかだよ」
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