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凄く心細くて前に世話になった村に行って駐屯地までの道を教えてもらうことにした。
村人は駐屯地の近くまで船で送ってくれた。
ひとりで心細かったので村人の親切がありがたく心に沁みた。
村人に礼を言い陸に上がった。
しばらく歩いていると草むらから俺を呼ぶ声がした。同じ部隊の中村だ、中村もはぐれたらしい。
「こっちに来い、その先には敵がいる。敵の戦車がこっちに来るここに隠れてやり過ごそう」
「え!この道通れないと駐屯地までどうやっていくの?」
「砂漠を行くしかないな、お前水あるか?」
「うん、水筒に入れて来たばかりだ。中村は?」
「俺もまだいっぱいある」
「じゃあ、砂漠に行ってもいいね」
戦車が通り過ぎて行ったのでふたりで砂漠に向かった。
砂漠は大変だった、俺は水をちびちび飲んでいたが中村はもったいないからと言って砂漠に生えている植物を切って吸っていた。
「中村そんなの足しにならないだろ?水飲まなきゃだめだ」
「大丈夫、大丈夫!もう少し行ったら飲むから」
中村はだんだん歩けなくなってきて、俺がおぶって歩いた。
中村は小さかったから俺でもおぶれた。
やっと駐屯地に着いた。
俺はホッとして中村を背負ったまま倒れた。
「道雄、道雄!良かった無事だった」
政ちゃんが泣いて抱きしめてきた。
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