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「政ちゃん遊ぼう」
「おお、道雄来たかザリガニ取りに行くぞ」
「ザリガニ?嫌だ俺苦手だ」
「俺が取ってやるから、道雄今日こそつかんでみろよ」
俺は政ちゃんといつも近くの川に遊びに行った。
政ちゃんは俺よりひとつ年上だ、だから俺を弟みたいに何かにつけて世話したがる。
俺は厳格な父親に育てられていたから余り自由がなかった。
だから自由で生き生きとしている政ちゃんに憧れていた。
川に行くと近所の子供達も来ていた。
「信ちゃん来ていたの?」
「おお、政雄来たか」
信ちゃんと政ちゃんは同級生で大の仲良しだ。
どこに行くにもいつも3人一緒だ。
政ちゃんがいつも俺を連れていきたがるんだ。
「ほら、道雄!ザリガニつかんでみな」
「嫌だ、怖い、はさまれる」
「道雄は弱虫だな!ここを掴むんだ」
政ちゃんに手を掴まれて無理やりザリガニを掴まされた。
「あ、つかめた」
「やった〜!道雄やったな掴めたな、偉いぞ」
政ちゃんに頭を撫でられた。
政ちゃんは俺を褒める時いつも頭をなでる。
俺も政ちゃんに褒められると嬉しい。
そんなふたりを見て信ちゃんは呆れ返っている。
「政雄は道雄に甘いなそんなことぐらいで褒めて」
「だって道雄、ザリガニ初めて掴めたんだぞ!偉い偉い」
政ちゃんは俺のことになると自分のことのように喜ぶ。
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