たつくんのなつまつり

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おねえちゃんは、 たつくんの てをひいて にぎやかな やたいの ほうへ もどっていきました。 たつくんの おなかが ぐーっと なりました。 「たつ、 なにが たべたい?」 「でも……」  たつくんの おこづかいは、 もうのこって いません。 おねえちゃんは、 た つくんの かおを みて わらいました。 「だいじょうぶ、 わたしの ぶんを つかって いいよ」 「え、いいの?」  たつくんは うれしくて、 おねえちゃんの てを ぎゅっと にぎりました。 やきそば、 かきごおり、 ベビーカステラ、 やきとうもろこし…… たつくんは めを まんまるにして まわりを みまわしました。 「あれにする!」  たつくんは、 つやつやした りんごあめを ゆびさしました。 「ふたつ、 ください」  おねえちゃんは、 おかねを はらって、 おおきな あめを ふたつ とると、 ひとつを たつくんに にぎらせてくれました。 「ありがとう」 ふたりは、 ならんで、 りんごあめを なめました。 すると…… 「あれ、 おねえちゃんの ほっぺ、 ぴかぴか ひかってる!」 「たつの ほっぺだって ひかってるよ」 それをみて、 やたいの おじさんは わらいました。 「ほしくずを まぜてあるから、 よく ひかるよ」
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