たつくんのなつまつり

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ふと きがつくと、 たつくんの ふくろの なかに、 きんぎょが いません。 ただ、 みずが はいっている だけです。 「あれ?」  たつくんは、 びっくりして あしもとを みましたが、 どこにも さかなは いません。 「どこに いっちゃったんだろう?」 「だいじょうぶだよ、 いこう」  おねえちゃんは、 へいきな かおで、 たつくんの てをひいて あるきだしました。 ふたりは、 にぎやかな とおりを あるきました。  しろい かみの おばさんが、 にゅうどうぐもみたいな わたあめを うってい ました。 たつくんが みとれていると、おねえちゃんは あるいていって、 おばさんに こえを かけました。 「ふたつ、 ください」  おばさんが、 おはしのさきに しろい わたあめを まきつけて、 わたしてくれました。 「くもの かけらを まぜてあるから、 かぜに とばされないように きをつけるんだよ」 たつくんが びっくりしながら たべてみると、 「わあ、 うかんでる」 たつくんが あしを だすたびに、 ふわり、 からだが はねて うかぶのです。 「おもしろいね」 おねえちゃんも、 いっしょに うかびながら わらいました。 「ほら、 そろそろ おみこしの じかんだよ。 いっておいで」 おばさんが、 けいだいの ほうを ゆびさしました。
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