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どこだ。螢、どこにいる。
意識を研ぎ澄ます。楔を探っていると、やがて螢の思念にたどりついた。
――昴、申し訳ないけど、わたしはたたらを諦めきれない。だからあなたを愛せない。あなたに選ばれたい子なんて大勢いるんだから、どうか他をあたってよ。
――でも、その呪楔は、どうにかして解かないとまずいよ。なぜか今は沈黙しているけど、いずれかならず暴れ出して、命に関わる。
(こいつが光輪君なのか。声音は甘いが、ずいぶん強気な性格そうだ)
しかもどうやら、俺のほどこした呪楔を引き合いにして、螢を天へつれ帰ろうとしているようだ。憤然とした。
(螢、ちがうぞ。そいつの言うことを信じるな)
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