4 光輪君・昴《すばる》

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 なのに(ほたる)は何度断っても折れない相手に、馬鹿みたいな質問をしていた。  ――(すばる)は、なんでわたしを、そんなに好きなの……?  ――俺だけだから。世界中で君を救えるのが、俺しかいないから。  なんだこの、歯の浮くようなやりとりは。  思わず歯がみした。  (いいかげんに(あきら)めろよ、光輪(こうりん)君。(ほたる)は何度やっても絶対に、おまえなんかにはなびかない)  積み重なった(いら)()ちが頂点に達し、腹の底が沸騰(ふつとう)するような怒りを覚えた――、そのせつな。  ――なに、これ。助けて、息が。  突然、苦しそうな(ほたる)の思念を受けて、はっとする。 しまった。会話に気を取られて、(かしり)の制御がつい、おろそかになってしまった。 (ほたる)ががくがく(ふる)えている。俺の(くさび)が心臓を()め上げているせいだ。 「……っ、くそ」  ごめん。ごめんな、(ほたる)。俺はおまえを傷つけるつもりなんて微塵(みじん)もないのに。  けれど猛省したせつな、(ほたる)の身体に強力な霊薬が入ったのを感じた。
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