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本棚に追加切ないくらいにきみは僕を想って、切ないくらいに僕はきみを忘れる
1月5日 13時 雫丘出版 社員食堂
「あぁいた春ちゃん!」
社員食堂で遅めの昼食を食べていた私の元に、先輩で同じ部署で働く堂城誠也副編集長が慌てた様子で食堂に入ってきた。
「っどどどどど堂城先輩! ゴホゴホ」
私は、食べていた日替わりランチのミートソースパスタを驚いて喉に詰まらせてしまった。
「ごめん春ちゃん! 大丈夫?」
息が苦しくて、返事を返す事ができない。
だから、私は、この状況を打破しようと水が入ったコップに手を伸ばす。
けれど、息が苦しくて上手く掴めない。
同時にさっきから背中が痛い。
「春ちゃん! 大丈夫!」
いつの間にか、すぐ後ろにきていた私の背中を叩いていた。
「どど」
私は、どうにか声を出そうと口を開ける。
「春ちゃん! 無理にしゃべらないで!」
堂城先輩は、しゃべろうとした私を制止した。
そして、再び背中を叩き始めた。
すると…何度目かの衝撃で私の口からパスタが飛び出してきた。
「ゴホゴホ」
何分かぶりの呼吸に私は、喜びを感じる。
酸素ってこんなにおいしかったっけ?
「春ちゃん! 本当にごめん。自分が急に話し掛けたせいで。本当に…君の身に何かあったら…私…」
急いでいたとはいえ、危うく大事な後輩を死なせる所だった堂城は、泣きながら自分の行為を詫びる。
本当に…もう少しパスタが口から出るのに時間が掛かっていたら…
(…スペシャル苺パフェ)
「えっ! 春ちゃん? よく聞こえないんだけど」
なんでいきなり小声になってしまったのか解らず、私に内容を尋ねてきた。
「だから…スペシャル苺パフェ。あぁもう、先輩! 後ろ!」
「!」
堂城が滝川の指摘にうしろを振り返ると、近くにいた数人が二人の方を指差しながら……
『堂城副社長って、確かオネエじゃあなかったけ?』
『だよねぇ? でもあれ? どう見ても、いま、滝川さんのことナンパしてたよね?』
『いやいや? ありえないでしょ? 相手……あの堂城さんだよ! 私だったら絶対無理! ってか? 堂城副社長? 犬塚編集長とつき合ってるでしょ?』
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